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「切り替えができない子」は、時間を長さで感じていないだけかもしれません

執筆者の写真: 久美子 加藤
久美子 加藤
9月14日
読了時間: 3分

「切り替えができない子」という言い方を、園でよく聞きます。

遊びが終わらない。給食の時間になっても動かない。急かすほど動かなくなる。

この繰り返し、しんどいですよね。

でもそれは、性格でもわがままでもないことがほとんどです。


幼児は、時間を長さで感じていません

大人は「あと5分」で動けます。5分という長さが、体の中に入っているからです。

幼児の中に、まだ5分という感覚はありません。

だから「もう少しで終わりだよ」「あと5分ね」は、ほとんど届いていません。届いていないところに繰り返し声をかけて、動かないから急かして、余計に動かなくなる。

これが、毎日起きていることです。


感じているのは、長さではなく区切りです

では何を感じているかというと、区切りです。

  • 音が変わった

  • 電気が消えた

  • いつもの歌が始まった

こういう、はっきりした変化だけが届きます。時間の経過ではなく、事実として起きた変化です。

言葉での予告が効かない子に、音での合図が効くのは、これが理由です。


片づけの時間が、2週間で半分になりました

ある園で、片づけの前に同じ短い歌を歌うようにしました。

特別な曲ではありません。毎回まったく同じ、短い歌です。

2週間で、片づけの時間が半分になりました。

歌が始まった瞬間に、子どもたちが手を止めるようになったからです。「片づけて」と言われる前に、自分から動きはじめます。

大事なのは、毎回同じであることです。日によって変えると、区切りとして機能しません。


試すときの3つのお願い


場面はひとつだけ選んでください

片づけ、給食の前、外遊びからの戻り。全部でやりたくなりますが、全部でやろうとすると続きません。

いちばん困っている場面を、ひとつだけ選んでください。

鳴らしたあとは、急がせないこと

ここがいちばん大切です。

歌を歌ったあとに「ほら、早く」と言ってしまうと、その歌は急かされる合図になります。子どもは、歌が聞こえると身構えるようになります。

歌ったあとは、待ってください。動きはじめるまでの数秒を、待てるかどうかにかかっています。


2週間は続けてください

1日2日では変わりません。同じ音が繰り返されて、はじめて区切りとして体に入ります。


音の合図は、指示より優しい

言葉での指示は、誰か一人に向かって出ることが多いものです。「◯◯くん、片づけて」。

言われた子は、名前を呼ばれた理由を考えます。まわりの子も、それを聞いています。

音は違います。誰にも向いていません。 部屋全体に鳴っているだけです。

だから、責められている感じがしません。それでいて、全員に届きます。

リトミックは、この仕組みを使っています。音を聞いて、自分で判断して、自分で動く。先生が一人ひとりに指示を出さなくても、クラスが動くようになります。

切り替えができない子がいるのではなく、切り替えの合図が届いていないだけかもしれません。


保育士さん向けに、リトミックをオンラインでお伝えしています。生活の切り替えに使える活動も、指導案と楽譜つきでお渡ししています。

 
 
 

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