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職員の温度差は、話し合いでは動きません

執筆者の写真: 久美子 加藤
久美子 加藤
9月21日
読了時間: 3分

リトミックを入れたいけれど、職員の温度差が大きくて進められない。

園長先生から、よくいただくご相談です。

若い先生は乗り気なのに、経験のある先生ほど「今のやり方で困っていない」という空気になる。押しつけたくないし、放っておくと何も変わらない。


腕を組んでいた先生

ある園で、20年目のベテランの先生が、研修中ずっと腕を組んでいました。

あとで話を聞きました。

「新しいことを入れると、また子どもが混乱する。去年もそうだった」

反対ではありませんでした。心配だったんです。

その先生は、始まっては消えていった取り組みを、何度も見てきた人でした。担任として、そのたびに混乱した子どもたちを受け止めてきた人です。

腕を組んでいたのは、抵抗ではなく、防御でした。


温度差の正体

温度差という言葉を使うと、やる気の差のように聞こえます。

でも実際に中にあるのは、たいてい経験の差です。

  • 続かなかった取り組みを見てきた

  • そのしわ寄せを受けた

  • また同じことになると思っている

やる気がないのではなく、過去の実績にもとづいて判断しているわけです。そう考えると、その先生のほうが誠実だとも言えます。


全員をそろえてから、と思うと始まりません

よくあるのは、職員会議で説明して、全員が納得してから始めようとすることです。

これはたいてい始まりません。

人の温度は、話し合いでは動かないからです。

説明を聞いた時点では、その人の中にあるのは過去の記憶だけです。新しい情報は入っても、記憶のほうが強い。

温度が動くのは、ひとつだけです。目の前の子が変わったのを、自分の目で見たときです。


1クラス、3か月、合わなければやめていい

なので、こう決めて始めることをおすすめしています。

・1クラスだけで始める

・期間は3か月

・合わなければやめていい

この3つを最初に宣言してください。

「やめていい」を先に言うことが大切です。心配している先生がいちばん恐れているのは、始まったら止まらないことだからです。出口があると分かれば、身構える必要がなくなります。

そして、心配していた先生ほど、よく見に来てくださいます。うまくいかなかったときに困るのは自分だと分かっているから、見に来るんです。

その先生が、3か月後にいちばん詳しくなっていることもあります。


見せるのは、活動ではなく子どもです

見に来てもらうときのコツがひとつあります。

活動のやり方を見せようとしないでください。

「こういう手順でやっています」と説明すると、その先生は自分にできるかどうかを考えます。ハードルの話になります。

見てほしいのは、子どもの顔です。

いつも切り替えに時間がかかる子が、音を聞いて自分で動いた。話を聞けないと言われていた子が、集中していた。

その一場面が、どんな説明より効きます。


最初に、園長先生ご自身が確信を持つこと

もうひとつだけ。

広げようとする前に、園長先生や主任の先生ご自身が「これならできる」と思えるものを、ひとつ持っておくことをおすすめします。

自分が確信を持っているものは、説明しなくても伝わります。逆に、自分がよく分かっていないものを広げようとすると、どうしても説得の形になります。

説得は、温度差を広げます。


園長先生・主任の先生向けにも、リトミックをオンラインでお伝えしています。園内で説明するときの裏付けになるよう、指導案と楽譜をお渡ししています。

 
 
 

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