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発表会前に合奏がそろわないとき、練習をやめて寝転がってもらいました

執筆者の写真: 久美子 加藤
久美子 加藤
9月28日
読了時間: 3分

発表会や運動会の前で、余裕がなくなっている先生に読んでいただきたいです。

練習が思うように進まなくて、できていない子が気になって、家に帰ってからも段取りを考えている。職員室の会話が短くなって、廊下を歩く速さが変わる。

あの時期ですよね。


そろわないから、もう一回

年長クラスで、合奏がどうしてもそろわない時期がありました。

伺った日も、朝から何度も通していました。そろわない、もう一回。そろわない、もう一回。

子どもたちの肩が上がっていました。楽器を持つ手に力が入っていて、目が譜面台と先生のあいだを行ったり来たりしています。

ここで起きていたのは、練習不足ではありませんでした。


体がこわばると、音が聞こえなくなります

子どもは、体がこわばっていると音を聞けません。

自分の音を出すことに必死になって、となりの子の音が耳に入らなくなります。合奏は、まわりを聞いていないとそろいません。

聞けないから合わない。合わないから「もう一回」。もう一回と言われるとさらに固くなる。

この輪の中にいる限り、回数を増やしても、そろうようにはなりません。


練習をやめて、3分だけ

その日、練習をやめました。

全員に床に寝転がってもらって、担任の先生にゆっくりした曲をひとつ歌ってもらいました。時間にして3分ほどです。

天井を見ながら、みんなで聞いているだけです。

そのあと起き上がって、一度だけ合わせました。

その日いちばん、そろいました。


本番前にできるのは、増やすことではなく減らすこと

行事が近づくと、足りないところが見えてきます。見えると、埋めたくなります。

でも本番までの日数は決まっています。増やせば、そのぶん子どもと先生の余白が減ります。余白がなくなると、聞く力から先に落ちていきます。

私が行事前におすすめしているのは、減らすことです。

  • 通す回数を減らす

  • 一度に直す箇所を、ひとつに絞る

  • 練習の前に、体をゆるめる時間を3分だけ入れる

3分は、惜しいように見えます。でもその3分があるかないかで、そのあとの1回の質が変わります。


当日、いちばん見られているもの

もうひとつだけ、お伝えしたいことがあります。

当日いちばん見られているのは、子どもの出来ではありません。先生の顔です。

保護者は、わが子を見ています。そしてその子が、どんな表情で先生を見ているかを見ています。

先生が張りつめていると、子どもは先生を見ます。楽しんでいると、子どもも前を見ます。カメラに写るのは、その差です。

そろわなかった一小節より、その差のほうがずっと残ります。


音を聞ける状態をつくることが、先にあります

そろえる練習の前に、音が聞ける体をつくる。順番はこちらが先です。

リトミックは、この順番でできています。音を聞いて、自分で考えて、体を動かす。聞くことが先にあって、動きはあとから育ちます。

日ごろからこの順番で活動しているクラスは、行事前に慌てて詰め込む必要が減ります。


保育士さん向けに、リトミックをオンラインでお伝えしています。行事前に使える活動も、指導案と楽譜つきでお渡ししています。

 
 
 

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