「静かにして」と言うのをやめたら、3歳児クラスが静かになった話
- 久美子 加藤
- 2 時間前
- 読了時間: 3分
「話が聞けないクラス」と言われていた3歳児クラスがありました。
担任は1年目の先生です。毎日「静かにして」「聞いて」と言い続けて、夕方には声が枯れていました。廊下ですれ違ったとき、その先生に言われた言葉が、いまでも残っています。
「私、向いていないのかもしれません」
声を大きくするほど、聞こえなくなる
騒がしいとき、私たちは自然と声を大きくします。届いていないと思うからです。
でも、子どもの側から見ると景色が違います。先生の声が大きくなると、その音に負けないように子どもの声も大きくなります。教室全体の音量が、少しずつ上がっていきます。
そして子どもは、大きな声に慣れます。慣れた音は、聞き流せるようになります。
毎日「静かにして」と言い続けている先生ほど、その言葉が効かなくなっていく。
これは先生の力量の問題ではなく、音の仕組みの問題です。
お願いしたのは、逆のことでした
その先生にお願いしたのは、うるさいときほど小さく話すことでした。
最初の2日は、まったく届きませんでした。当然です。子どもたちはこれまで、大きな声で呼ばれることに慣れていたからです。
変わったのは3日目です。前のほうに座っていた女の子が、こちらを見て聞きました。
「先生、なんて言ったの」
その子が聞き返した瞬間、まわりの子が静かになりはじめました。
聞こえないと、人は聞こうとします。 聞こうとするためには、静かになるしかありません。子どもたちは、自分たちで静かになる理由を見つけたことになります。
3か月後に、その先生が言ったこと
3か月後、同じ先生がこう言って笑っていました。
「一日の終わりに、喉が痛くなくなりました」
変わったのは声だけではありません。余裕がないときに出てしまう強い言葉も、減っていったそうです。
大きな声を出し続けることは、体力を使います。体力が削られると、心の余裕もなくなります。声を小さくすることは、子どものためであると同時に、先生自身を守ることでもあります。
明日、試すときのコツ
ひとつだけ、お願いがあります。
3日は続けると決めてください。
最初の2日は届きません。ここでやめてしまうと、「やっぱりだめだった」で終わります。届かない2日間は、失敗ではなく、必要な期間です。
いちばん騒がしい場面を、ひとつだけ選んでください。朝の会でも、給食の前でも構いません。その場面だけ、いつもより小さい声で話してみてください。
音で伝えると、言葉はもっと減らせます
声を小さくすることは、その入口です。
もう一歩進めると、言葉そのものを減らして、音で伝えることができます。ピアノの音が高くなったら立つ、低くなったらしゃがむ。太鼓が鳴ったら止まる。
子どもは音を聞いて、自分で判断して、体を動かします。先生は指示を出す必要がありません。これがリトミックです。
リトミックは音楽遊びではなく、音を聞いて自分で考えて動く力を育てるものです。その力が育ったクラスは、先生が声を張らなくても動くようになります。
明日のクラスで使えるリトミックを、保育士さん向けにオンラインでお伝えしています。
ピアノの経験や、リトミックの知識は必要ありません。
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